コンプライアンス・リスクマネジメントの推進

◆コンプライアンス

  • コンプライアンスに関する考え方

<本投資法人>
上場不動産投資信託として、その社会的責任と公共的使命を自覚し、倫理・法令、市場ルール(本投資法人に適用あるグローバル規制を含む)及び主務官庁のガイドラインその他、本投資法人の内部規則等の遵守、すなわちコンプライアンスを徹底することにより、投資主その他ステークホルダーの信頼を確保することを目的として、「コンプライアンス・ ポリシー」を制定し、ガバナンスの設計及びその整備を行っています。

<資産運用会社>
内部規律として「東急REIM行動規範」、「コンプライアンス基本方針」、「コンプライアンス規程」、「東急REIMコンプライアンス・マニュアル」、「コンプライアンス・プログラム」等を定め、倫理・法令、市場ルール(資産運用会社に適用あるグローバル規制を含む) 等の遵守、特に法人関係情報・個人情報の適正管理、財務報告その他開示の信頼性確保等について、これらを徹底しています。

  • コンプライアンス態勢


 
コンプライアンス統括責任者(CCO)
コンプライアンス統括責任者(CCO)は、コンプライアンス業務を統括するとともに、コンプライアンス相談窓口の運営等を行っています。また、「コンプライアンス・リスクマネジメント委員会規程」に基づき、コンプライアンス及びリスクマネジメントに関する重要な事項(執行役員コンプライアンス担当又は委員会の事務局長が必要と認めた事項を含みます。)並びに利害関係を有する者との取引に関する事項が適切にコンプライアンス・リスクマネジメント委員会に付議されていることを確認しています。

コンプライアンス・プログラム
コンプライアンスに関する実践計画として、毎年度、コンプライアンス・プログラムを策定し、本プログラムに基づき、コンプライアンスに関する各種施策を実践しています。また、本プログラムの履行・達成状況について定期的に確認を実施するとともに、その内容に見直しの必要が生じた場合には、その都度内容の見直しを行っています。

東急REIMコンプライアンス・マニュアル
役職員が業務遂行における基本的姿勢及び遵守すべき関連法令や社内規程等に関する理解を深め、全ての役職員の意識を醸成するための手引書として、「東急REIMコンプライアンス・マニュアル」を制定しています。本マニュアルにより培われた意識や知識が役職員によるコンプライアンス違反の防止や、コンプライアンス態勢の更なる高度化に資することを目的としています。  



社内コンプライアンス研修
倫理・法令、市場ルール(資産運用会社に適用あるグローバル規制を含む)その他社内規程等の実効性を確保するため、適宜、社内研修を実施し、コンプライアンス態勢の充実・強化及び役職員のコンプライアンス意識の醸成等に努めています。

その他のコンプライアンス研修に関する事項についてはこちら

   コンプライアンス研修(2024年度)

コンプライアンス相談窓口
コンプライアンス態勢を補完することを目的として、公益通報者保護法(平成16年法律第122号、その後の改正を含みます。)に準拠したコンプライアンス相談窓口・ハラスメント相談窓口を開設するなど、コンプライアンス違反行為の未然防止、早期是正及び再発防止に努めています。全役職員(派遣社員を含む)及び退職者は社内・社外(スポンサー・社外弁護士)のコンプライアンス相談窓口・ハラスメント相談窓口に対し、コンプライアンス違反行為等に関する相談が可能です。相談者保護のため、「コンプライアンス規程」において、匿名報告が可能な旨、解雇その他の不利益な処分は行わない旨、相談窓口に相談したことを理由として、相談者の職場環境が悪化することのないように、適切な措置を講じる旨を定めています。 

<コンプライアンス相談窓口への報告・相談件数>

 

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

資産運用会社

0件

0件

0件

0件

0件

東急株式会社
ヘルプライン(注1

294件

260件

341件

374件


(注2

(注1)スポンサーである東急(株)は、不正・不祥事を含むコンプライアンス課題の早期発見、是正を図るため、内部通報窓口「東急株式会社ヘルプライン」を設置・周知しています。「東急株式会社ヘルプライン」には、社内のほか弁護士事務所にも窓口があり、東急(株)グループの従業員(取引先を含む)などからの通報・相談に対応しています。
(注2)2025年6月時点未公表

<ハラスメント相談窓口の受領件数(社外窓口への件数も含む)>

 

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

資産運用会社

0件

0件

0件

0件

0件

コンプライアンスチェック
コンプライアンス統括責任者(CCO)及びコンプライアンス部は、業務執行における法令や社内ルール等の遵守状況を確認し、日常の業務執行においても、投資法人が資産運用会社の利害関係者と行う取引をはじめとした各種取引実施時や、社内ルール制定・改定時等に、コンプライアンスチェックを行っています。

コンプライアンスヒアリング
役職員とコンプライアンス統括責任者(CCO)の間で、コンプライアンスに対する考え方や認識の共有を図ることで、コンプライアンス態勢の向上や業務改善に繋げることを目的とし、年に1回、全役職員(派遣社員を含む)を対象にコンプライアンスヒアリングを実施しています。ヒアリングで寄せられた意見については、社内ルールや業務プロセスの見直し、コンプライアンス研修のテーマ設定等の各種コンプライアンス関連施策の検討に活かしています。

◆リスクマネジメント
資産運用会社では、本投資法人の投資主価値の維持・最大化のために、投資法人資産運用業に関連する内外の様々なリスクを正確に把握し、全社的な視点で合理的かつ最適な方法でリスクを管理することが必要不可欠であるとの認識のもと、「リスクマネジメント基本方針」及び「リスクマネジメント規程」を定め、実践しています。

  • 「3つの防衛線」の考え方に基づくリスクマネジメント
    「3つの防衛線」の考え方に基づいた運用体制により、適切にリスク管理を行っています。
第1線 第2線 第3線
統制自己評価機能 リスク管理モニタリング機能 内部監査機能

・所管業務に内在するリスクに関し、第一義的責任を有する。
・自律的なリスクマネジメント(リスクの識別・評価・対応)を行う。

・自律的リスクマネジメントを適切に行うため、重要リスクについてキー・コントロール(リスクを最も効果的に低減するコントロール)を設計、適用の上、それを文書化して適正に運用するとともに、運用においては十分な証跡を残す。

・リスクマネジメントの枠組みを構築、改善する。                                                                         
・第1線が行うリスクマネジメントの実効性を支援する。

・第1線が行う統制自己評価機能のモニタリングを行う。

・第1線、第2線からの独立性、客観性を保持し、第1線、第2線の活動を検証、評価する。                                                     
・第1線、第2線が主張していることが妥当である場合には、説得力を与え保証し、助言・補強する。

・第1線、第2線が主張していることが妥当とは言えない場合には、検証、評価結果をフィードバックし、改善を促す。
  • 年間リスクマネジメントサイクル

  

(※)リスク対応計画策定手順

全社的リスクマネジメント

物件リスクマネジメント

①環境変化分析及びリスクの定義を踏まえたリスクの洗い出し

①経済的要因、物理的要因、法的要因、その他の要因を基に36のリスク項目を設定

②影響度、発生可能性の観点から固有リスクを評価

②各物件について、影響度、発生可能性の観点から固有リスクを評価

③リスク管理状況の評価

③上記固有リスクに対し、基準日時点の抑制の程度を計測し、残余リスクを3段階で評価

④残余リスク評価

⑤対応すべきリスク及び優先順位の決定

④前年度対応実績及び新たに認識したリスクを踏まえ、リスク対応計画を策定

⑥上記リスクへの対応方針の決定

  • 危機管理
    自然災害や事故等の危機の発生が、経済的損失、信用の失墜、または著しい業務の支障等として、当社の経営及び投資法人資産運用業遂行に重大な影響を及ぼすことを認識し、危機発生時の災害を最小限に留め、企業の社会的責任と公共的使命を継続的に果たしていくために「危機管理基本方針」及び「危機管理規程」を定め、実践しています。


    <取り組み例>
    ・危機管理委員会の設置
    ・事業継続計画の策定及び危機管理マニュアルの整備
    ・備蓄品、医薬品等の整備
    ・大規模地震訓練、安否確認訓練、危機対策本部訓練、応急救護訓練の実施

    危機対策本部訓練(2024年)


    応急救護訓練(2025年)

資産運用会社のコンプライアンス・リスクマネジメントに関する各種取り組み

◆主な取り組み

  • インサイダー取引規制への対応
    「内部者取引の未然防止等に係る規程」を制定し、法人関係情報の適切な管理等、内部者取引の未然防止等に関する態勢を整備・運用しています。

  • マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止への対応
    マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策を経営の重要課題の一つとして認識し、「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に係る基本方針」を定め、社内の組織態勢の構築、委託先及び取引先の管理態勢の整備を行っています。

  • 情報セキュリティ
    情報資産の保護とその適正な利用を図るため、「情報セキュリティに関する基本方針」を定め、実践しています。

    <取り組み例>
    ・適切なシステムリスク管理態勢の確立
    ・不正アクセス、不正情報取得、情報漏洩等を牽制・防止する安全対策の整備
    システム停止時における初動対応および事業継続訓練の実施
     
     システム停止時における初動対応および事業継続訓練(2023年)

  • 苦情処理態勢
    金融分野における裁判外紛争解決制度に基づいた、苦情及び紛争の解決処理に関する態勢を整備しています。

  • 地震災害への対応
    本投資法人では、震災に強いポートフォリオの構築を目指しており、個別の物件投資基準の条件として、新耐震基準(注)適合、耐震補強工事実施済又はPML15%未満の建物であることを原則としています。また、ポートフォリオPML10%以下での運用を行い、これを超過する場合は地震保険の付保の検討を行うこととしています。
    (注) 新耐震基準とは、震度6程度の地震でも建物が倒壊せず、人命の安全を確保することを目的に1981年に改正された建築基準法に基づく耐震設計基準のことです。1981年6月以降に建築確認を受けた建物は新耐震基準を満たしていることになります。実際に震度7が観測された1995年の阪神大震災や2011年の東日本大震災において、新耐震基準で設計された建物で建物が倒壊したケースはほとんど報告されておりません。

    最新のポートフォリオPMLの状況はこちら(決算説明資料)


  • 贈収賄・汚職防止への対応
    「就業規則」及び「東急REIMコンプライアンス・マニュアル」において饗応贈与、賭博等の行為を行わない旨を定めており、業務に関し不正不当の金品その他を授受した場合には就業規則に則り、厳格に処分する旨定めています。
    また、東急グループは、東急グループコンプライアンス指針や各社行動規範に基づき、腐敗行為の防止に取り組んできました。さらに2022年5月にはスポンサーである東急(株)は同社および連結子会社を対象とした「腐敗行為防止方針」を制定し、贈収賄(注1)、利益相反(注2)、横領、利益供与の強要、不正入札等、自己または第三者の職務上の権力や地位を濫用する、いわゆる腐敗行為の一切を禁止するとともに、東急(株)および連結子会社の取引先等に係る腐敗行為を認めない旨を定めています。

    腐敗行為防止方針

    1.基本方針

     当社(東急株式会社)および連結子会社は、贈収賄(注1)、利益相反(注2)、横領、利益供与の強要、不正入札等、自己または第三者の職務上の権力や地位を濫用する、いわゆる腐敗行為の一切を禁止するとともに、当社および連結子会社の取引先等に係る腐敗行為もこれを認めません。

    東急(株)の「腐敗行為防止方針」の詳細についてはこちら

    (注1)事業を行う中で、不正、違法、または背任にあたるような行為を引き出す誘因として、いずれかの人物から贈与、融資、謝礼、報酬その他の利益を、法令もしくは社会的な通念の範囲を超えて、供与または受領すること。なお、いわゆる「ファシリテーション・ペイメント」 と呼ばれるものも、それが法令等に抵触するものであれば、金額の多寡に関わらず、これを認めません。
    (注2)当該企業に属する者(役員・従業員など)が当該企業の利益と相反する形で、自らの利益を誘導するような行為を、私的にかつ不適切な形で行うことを言います。

  • 反社会的勢力との取引防止
    反社会的勢力との一切の関係を遮断・排除していくことが、金融商品取引業者且つ宅地建物取引業者としての社会的責任及び公共的使命を果たしていくために、不可欠であることを認識し、反社会的勢力に対する基本方針を定めています。その取り組みの一環として、取引開始前の相手先について、反社会的勢力との関係性調査を実施しています。また、それに加え、1年に1度、取引先に対する反社モニタリング調査を実施しています。また、全役職員を対象としたコンプライアンス研修等で反社会的勢力への対応方法について扱うことで、役職員への周知徹底を図っています。

    反社会的勢力に対する基本方針
                                                                                                                                                             2013年8月29日 制定

     資産運用会社は、反社会的勢力との一切の関係を遮断・排除していくことが、金融商品取引業者且つ宅地建物取引業者としての社会的責任及び公共的使命を果たしていくために、不可欠であることを認識し、反社会的勢力に対する基本方針を以下のとおり定めています。

    1.平素からの対応

    (1) 取引を含めた反社会的勢力との関係の一切の遮断・排除
    反社会的勢力とは、業務上の取引関係を含めて一切の関係を持ちません。
    また、反社会的勢力遮断のための社内態勢を構築します。

    (2) 外部専門機関との連携
    反社会的勢力による不当要求に備えて、平素から警察、暴力団追放運動推進センター、弁護士等の外部専門機関と緊密な連携関係を構築します。

    2. 有事の対応

    (1) 反社会的勢力からの不当要求の拒絶
    反社会的勢力からの不当要求は断固として拒絶します。

    (2) 裏取引や資金提供の禁止
    反社会的勢力からの不当要求が、当社の不祥事を理由とするものであっても事実を隠ぺいするための裏取引を絶対に行いません。また、反社会的勢力への資金提供などの利益供与も絶対に行いません。

    (3) 組織としての対応
    反社会的勢力による不当要求を受けた際には、担当者や担当部署だけに任せず、組織全体として対応します。また、反社会的勢力に対応する役職員の安全を確保します。

    (4) 法的対抗措置
    反社会的勢力による不当要求を受けた際には、断固とした態度で対応するとともに必要に応じて法的対抗措置を講じます。                                                                                                                                                                                                   以 上


    委託先へのコンプライアンス取り組み状況の調査
    本投資法人の委託先のコンプライアンスの取り組み状況に関する実態調査として、主要な委託先に対し以下の項目に関する調査を定期的に実施し、委託先に対する監督を図っています。

    <主な調査内容>
    ・法令等遵守態勢
    ・利益相反管理
    ・個人情報保護
    ・内部者(インサイダー)取引を含む不適切な株式・投資口等取引の未然防止
    ・情報管理全般
    ・苦情への対応
    ・反社会的勢力への対応
    ・マネー・ローンダリング及びテロ資金供与(AML/CFT)への対応