テナントの選定にあたり、外部機関から定期的にマーケットレポートを取得するなどして市場動向を把握し、適正な賃貸条件等の検討を行うとともに、プロパティ・マネジメント会社を活用し、優良テナントの選定に努めます。
テナントとの賃貸借契約の締結に際しては、本投資法人から資産の運用を受託した本資産運用会社が、取締役会で決定された「資産運用計画」を含む社内規程等に従い、信頼度及び反社会的勢力との関係の有無を調査し、賃料水準、敷金の額、賃貸借契約期間、契約形態等の賃貸条件等を考慮し総合的に判断します。また、信頼度に関しては、テナントの財務状況、企業規模、資本関係等を検討するほか、商業施設の場合は立地や物件の規模と適合し、他のテナントとの調和が図れる業種・業態であることも考慮します。
なお、賃貸条件に関しては、「資産運用計画」に規定されている契約条件を上回っていることを条件とします。また、市場動向、テナントの信頼度、契約面積、空室率等を勘案した結果、「資産運用計画」に記載されている契約条件を下回る条件ではあるものの契約することが望ましいと資産運用部長が合理的に判断した場合には、同計画の策定及び変更と同様のプロセスを経たうえで取締役会の決議により決定します。
また、利害関係者への物件賃貸を行う場合には、適正な賃貸条件に基づき、原則として本投資法人の役員会の事前承認を必要とします。

中長期的な資産価値の最大化を目指すべく、以下のとおり物件の市場競争力の維持向上を図るとともに適切なリスクマネジメントを行うものとします。

(a)賃貸運営

個別物件のキャッシュフローの中長期的な最大化を目指すべく、以下によりテナント満足度の向上を図ります。

  • 市場動向の掌握に基づくテナント営業
  • テナントとの信頼関係構築に基づくテナントニーズの十分な把握

(b)管理運営

適切かつ効率的な管理運営により、不動産管理経費等の削減及び資産価値の維持向上を図ります。

(c)修繕・資本的支出

適切かつ効率的な工事計画を物件毎に作成の上、修繕・資本的支出を行います。

(d)PM会社の選定

テナントに関する情報網と地域密着性に裏付けられたテナント営業力及び規模のメリットによるコスト削減等を総合的に勘案し、原則として東急(株)等から選定します。ただし、物件の特性、管理の継続性その他の諸事情等に応じ、東急(株)等以外の会社から選定することを妨げません。
この場合、東急(株)等及びその他の利害関係者とのPM契約委託条件については、利害関係者取引規程に従います。

(e)PM契約の更新

  1. 資産運用会社によるパフォーマンス・チェックを定期的に行い、資産運用会社の定める基準に達しない場合には契約を更新しないものとします。
  2. 更新時の報酬水準については、業務の内容及び報酬額の市場性等を総合的に勘案し、事前にその妥当性を確認します。この場合、東急(株)等及びその他の利害関係者とのPM契約の更新の条件等については、利害関係者取引規程に従います。

(f)損害保険等の付保

災害や事故等により生じる建物の損害や収益の減少、又は第三者からの損害賠償請求によるリスクを回避するため、原則として、火災保険、家賃保険及び賠償責任保険を本投資法人の保有物件について付保します。地震保険の付保にあたっては、保険料、免責額及びキャッシュリザーブ等を総合的に勘案して判断します。

「環境への配慮に関する方針」を策定し、不動産投資運用における環境への配慮の重要性を認識し、企業の社会的責任として、環境負荷の低減や、持続可能な社会の実現を目指した取り組みを継続的に行います。

A.環境への配慮に関する取り組みの推進

  1. 省エネルギーと低炭素化の推進
  2. 節水と廃棄物削減の推進
  3. 安全衛生や快適性の配慮

B.環境への配慮に関する推進体制の整備

  1. 責任ある法人としての体制の整備
  2. 社外の関係者との協働
    なお、直近の取り組みとしては、GRESB注1は2014年より評価を受けており、2015年から毎年GreenStarを取得しています。更に、2024年9月末現在、CASBEE(建築環境総合性能評価システム(注2))を16物件、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度注3)を3物件、LEED(注4)を1物件、JHEP(ハビタット評価認証制度(注5))を1物件取得しています。
    本投資法人の環境認証・評価についてはこちら

(注1) 不動産会社・ファンドの環境・社会・ガバナンス(ESG)配慮を測る年次のベンチマーク評価及びそれを運営する組織の名称であり、責任投資原則(PRI)を主導した欧州の主要年金基金グループを中心に2009年に創設されました。
(注2) 国土交通省主導のもと、一般財団法人住宅・建築SDGs推進センターにより開発された建物の総合的な環境性能を評価し格付けをする手法です。省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建築物の品質を総合的に評価するシステムとなっています。
(注3)「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」における省エネ性能の表示の努力義務に対応した、住宅・建築物を格付けする第三者認証制度です。国が定める建築物エネルギー消費性能基準に基づく一次エネルギー消費量から算出されるBEI(Building Energy Index)の値によって評価されます。

(注4) 非営利団体米国グリーンビルディング協会(USGBC)が開発・運用し、Green Business Certification Inc.(GBCI)が認証の審査を行っているビルト・エンバイロメント(建築や都市の環境)の環境性能評価システムで、コストや資源の削減を進めながら、人々の健康に良い影響を与え、再生可能なクリーンエネルギーを促進する建築物を認証するシステムです。
(注5) 米国連邦政府が開発した、ハビタット評価認証(HEP:Habitat Evaluation Procedures、生きもののくらす環境の観点から環境を定量的に評価する手法)の環境評価手法をもとに、公益財団法人日本生態系協会が日本において適用可能な形に改良し、2008年に創設したもので、生物多様性の保全への貢献度を、客観的・定量的に評価、認証し、可視化できる国内唯一の認証制度です。