実効性の高いガバナンスを確保したプロセスの整備・運用

 本投資法人及び資産運用会社では、優れたガバナンスは競争力の源泉であり、投資主価値向上に資するものと位置付けています。本投資法人の発行する投資証券がグローバルプロダクト(国際的金融商品)として内外のあらゆる投資家の投資対象となるよう、グローバル・スタンダードでみても充分な評価に足るガバナンスの設計及びその整備を進め、着実な運営を行っています。

◆ガバナンス体制(投資法人)

  • 東急REITのガバナンスストラクチャー
      

  • 役員の選任
    役員候補者の人選にあたっては、投信法等の各種法令に定める欠格事由に該当しないことを前提とし、以下の選任理由により、投資主総会の決議を経て選任されます。

<選任理由及び役員会への出席状況>

役職名

氏名

選任理由

役員会への出席状況

2023年1月期
(第39期)

2023年7月期
(第40期)

執行役員

木村良孝

経営管理や事業戦略に係る幅広い業務経験と知識に加え、東急(株)の子会社の経営に携わり、経営者として幅広い見識を有しているなど、投資法人の執行役員として高度な執行能力が期待されるため。また、資産運用会社の代表取締役であり、本投資法人と資産運用会社との連携を密にする目的に照らして適任者であるため。

100%
(注)

監督役員

近藤丸人

法律の専門家としての知識と経験に加えて、法律事務所の経営に携わり、経営者として幅広い見識を有し、また社外役員経験も豊富であり、幅広い見地から執行役員の業務執行を監督することが期待されるため。

100%

100%

監督役員

相川高志

会計の専門家としての知識と経験に加えて、監査法人の経営に携わり、経営者として幅広い見識を有し、また社外役員経験も豊富であり、幅広い見地から執行役員の業務執行を監督することが期待されるため。

100%

100%

(注)2023年5月就任以降の出欠状況を記載しています。

  現任役員の略歴はこちら

<役員のスキルマトリックス>

役職名

氏名

企業経営

不動産投資
・運用

財務・会計

監査
・リスク管理

法務・コンプラ
イアンス

執行役員

木村良孝

監督役員

近藤丸人

監督役員

相川高志

代表的なスキルのうち、相対的に優れたものを示しており、保有する全ての知見・経験を示すものではありません。

◆役員の報酬
役員の報酬の上限額(執行役員:一人当たり月額100万円、監督役員:一人当たり月額80万円)は、それぞれ本投資法人規約で定められており、役員会にて報酬を決定します。

<役員報酬の状況>

役職名

氏名

主な兼職等

報酬の総額

2023年1月期
(第39期)

2023年7月期
(第40期)

執行役員

木村良孝

東急リアル・エステート・インベストメント・マネジメント株式会社代表取締役執行役員社長を兼職


(注)


(注)

監督役員

近藤丸人

近藤丸人法律事務所の所長等を兼職

300万円

300万円

監督役員

相川高志

新創監査法人の代表社員、正栄食品工業株式会社社外監査役を兼職

300万円

300万円

*執行役員、監督役員は、いずれも本投資法人の投資口を自己又は他人の名義で所有していません。また、監督役員は、上記記載以外の他の法人の役員である場合がありますが、上記を含めていずれも本投資法人と利害関係はありません。
(注)執行役員については、本投資法人執行役員としての報酬の支払いはありません。

会計監査人の報酬
会計監査人の報酬の上限額は1営業期間につき、1,500万円と本投資法人規約で定められており、役員会にて報酬を決定します。

名称

報酬の総額

2023年1月期
(第39期)

2023年7月期
(第40期)

PwC Japan有限責任監査法人(注1)

1,400万円
(注2)

1,000万円

(注1) PwCあらた有限責任監査法人は、2023年12月1日付でPwC Japan有限責任監査法人に名称変更しています。
(注2) 投資法人債発行に係るコンフォートレター作成業務報酬を加えた額を記載しています。

資産運用会社の報酬
資産運用会社の報酬は、本投資法人規約に基づき、基本報酬1、基本報酬2及びインセンティブ報酬から構成されています。

資産運用会社の報酬の詳細についてはこちら

◆ガバナンス体制(資産運用会社)

取締役会 取締役会は2名の代表取締役(執行役員社長及び執行役員副社長)及び3名の常勤取締役の他、2名の非常勤取締役から構成されており、業務執行に対する監視機能を確保しております。

コンプライアンス・リスクマネジメント委員会                                  

コンプライアンス・リスクマネジメント委員会は、取締役会の諮問機関として資産運用会社の非常勤取締役(2名)及び外部委員(2名)から構成される委員会です。本委員会では、取締役会の要請に従い、コンプライアンス及びリスクマネジメントに関する重要な事項(利害関係を有する者との個別取引に関する事項、執行役員コンプライアンス担当又は委員会の事務局長が必要と認めた事項を含みます。)、ならびに利害関係者取引規程の規定内容の妥当性につき審議を行い、取締役会に対し答申(答申がないときはその旨の報告)します。

インベストメント委員会

インベストメント委員会は、取締役会の諮問機関として資産運用会社の代表取締役社長(委員長)、代表取締役副社長、取締役3名、不動産鑑定士の資格を有する専門委員から構成される委員会です。本委員会では、取締役会の要請に従い、「運用ガイドライン」及び「資産運用計画」の策定及び変更、ポートフォリオ全体の資産配分ならびに個別物件についての投資判断等について審議及び決議を行い、取締役会に対し答申します。
開示委員会 開示委員会は、財務・IR 部長(委員長)、管理統括部長、コンプライアンス部長、経営企画部長から構成される委員会です。適時開示の対象となる情報のうち、本投資法人、資産運用会社及び本投資法人の運用資産等に係る発生事実についての開示に関する対応につき審議を行い、その結果を執行役員社長に具申します。当該開示等は、原則として執行役員社長の決裁により開示します。

サステナビリティ推進委員会                                                                

サステナビリティ推進委員会は、サステナビリティ統括責任者(執行役員経営企画・財務・IR担当)(委員長)、常勤役員、執行役員及び各部門長から構成される委員会です。本委員会で協議・検討された事項に関する進捗や達成状況は、取締役会及び投資法人役員会へ定期的に報告されます。
執行役員社長 執行役員社長は、資産運用会社の最高執行責任者であると同時にコンプライアンス及びリスクマネジメントの最高責任者でもあります。
監査役 資産運用会社は、監査役を2名(非常勤)選任しています。また、その監査役の監査が実効的に行われることを確保することを目的として監査役事務局を設置し、監査役の監査の充実を図っています。監査役は、原則として取締役会、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会及びインベストメント委員会に出席するなど、業務執行の適法性を中心に監査をしており、会計監査及び業務監査については、監査役事務局を通じ会計監査人、内部監査を実施するコンプライアンス部と連携を図り、その実効性を高めるよう努めています。
会計監査人 資産運用会社は、会社法(平成17年法律第86号、その後の改正を含み、以下「会社法」といいます。)の施行に伴い「会計監査人設置会社」となることを自主的に選択し、本投資法人の会計監査人とは別の監査法人の会計監査を受けることにより、財務諸表の信頼性確保に努めています。また、会計監査人と代表取締役との会合を定期的に開催するなど、会計監査人の監査に必要な情報を積極的に提供しています。

※兼職メリットの活用とデメリットへの対策
本投資法人の執行役員は、資産運用会社社長が金融商品取引法第31条の4第1項に従い、2023年5月11日付で金融庁長官に兼職の届出を行った上でこれを兼職しています。この兼職により、本投資法人役員会に対する報告の迅速化及び報告内容の具体化が図られることで、そのメリットを存分に享受し、一般事務受託者、資産保管会社、主幹事証券会社及びPM会社等の委託先と執行役員との情報格差の解消に努めるなど、コンプライアンスに関する本投資法人役員会の監視機能を最大限に引き出し、その高いクオリティを実現することに注力しています。
なお、本投資法人及び資産運用会社では、資産運用会社社長とは別に本投資法人の執行役員専用の執務スペース、ファイリングシステム及びメールアドレス等を設置し、更に本投資法人の執行役員の立場で検印し、資産運用会社の業務プロセスを監視する仕組を確保することにより、業務執行における職責混同の回避に努めています。
資産運用会社社長が本投資法人の執行役員を兼職することについては、両社が利益相反関係にあることに起因するリスク又は業務負担の増大等を理由とする監視機能の低下等のデメリットが考えられますが、本投資法人においては、監督役員による執行役員及び資産運用会社の監督の強化により、また、資産運用会社においては自主規制として定めた利害関係者取引規程による公正な業務運営並びに資産運用会社社長を支援する役職員の充実及び権限委譲等によりリスクの低減と兼職者の業務執行の負担軽減を図っています。

※本投資法人の委託先に対する管理体制
一般事務受託者及び資産保管会社より、本投資法人役員会において、一般事務等の処理状況につき定期的に業務報告書の提出及びその説明を受け、必要に応じて調査を実施しています。また、資産運用会社に対しては、本投資法人役員会に対する説明及び報告の内容を充実させるように求めることにより、資産運用に関する幅広い監督を行っています。

◆内部統制

  • 「内部統制システムの整備・運用に係る基本方針」の取締役会決議
    資産運用会社では、上場不動産投資信託の資産運用を受託する会社であることを踏まえ、自主的に会社法第362条第4項第6号に定める事項を「内部統制システムの整備・運用に係る基本方針」として取締役会において決議しています。
  • 「内部統制ポリシー」の策定
    資産運用会社では、業務執行における「内部統制ポリシー」を策定し、実務上の基本方針を明確にして業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守ならびに資産の保全に係る内部統制の構築及びその強化を図っています。
  • スポンサーによる内部統制評価 
    資産運用会社は、東急(株)の財務報告に係る内部統制の一環として、毎年、東急(株)より内部統制の整備、運用に関する評価を受けています。

意思決定プロセス
資産運用会社では、効率的かつ透明性の高い運用体制を実現するため、運用資産の運用及び資金の管理に関して必要な事項について定めた「運用ガイドライン」や資産運用会社の自主ルールとして、基本原則と個別ルールから成る「利害関係者取引規程」等の各規程を整備し、これらに基づき適切な意思決定プロセスを構築しています。
物件の取得及び売却に際しては、運用資産統括責任者(CIO)である執行役員資産開発・資産運用担当が対象資産の選定、経営会議への付議を行い、経営会議での審議、コンプライアンス統括責任者(CCO)である執行役員コンプライアンス担当の審査を経て、執行役員社長が承認した後、取締役会に付議されます。取締役会は、諮問機関であるインベストメント委員会(決議機関)及びコンプライアンス・リスクマネジメント委員会(審議機関)に事前に付議することができ、各諮問機関での承認・審議・答申及び各委員会の委員より提出された少数意見報告書、意見書の内容を尊重し、承認決議を行い物件の取得(売却)を決定します。その内容は、本投資法人役員会に報告されます。なお、利害関係者との取引においてはコンプライアンス・リスクマネジメント委員会の審議と本投資法人役員会の事前承認が必要となります。

<物件取得売却時の意思決定プロセス>

◆利益相反対策
資産運用会社では、自主ルールとして、基本原則と個別ルールから成る「利害関係者取引規程」を定め、利害関係者との取引における利益相反対策を行っています。

「利害関係者」についてはこちら

◆資産運用報酬
パフォーマンスを示す3指標にリンクし「投資主と同じ船に乗る」、利益の相反を抑えた資産運用報酬体系

(注) 当期基準キャッシュフローは、税引前当期純利益に減価償却費及び繰延資産償却費を加えて、特定資産の売却損益及び評価損益の50%相当額を除いた金額
* 上記の報酬はすべて投資法人において費用計上される報酬であり、本投資法人では、会計上、投資法人のバランスシートに資産計上される「取得報酬」は、採用していません。
* 本投資法人は、上記の他に、資産保管会社、一般事務受託者、PM会社、会計監査人等へ所定の報酬等を支払っています。

◆内部監査
資産運用会社では、会社業務が、法令、社内規程等に則り、適正かつ効率的に遂行されているか否かを評価・検証し、その結果については、取締役会ならびに執行役員社長に報告するとともに、内部監査対象部門に対して改善促進を行っています。また、内部監査における各部門への指摘事項については、フォローアップ監査を実施し、その対応状況について進捗を把握すると共に、次年度の内部監査計画に反映をしています。内部監査は全ての組織、部及び業務を対象として年1回実施し、業務の一部を外部に委託している場合には、委託した業務所管部署等による管理状況も対象にしています。

<主な内部監査項目>
(1)内部統制システムの状況
(2)苦情等、事故、不正及び法令・規則・資産運用会社の社内規程(東急REIM行動規範等)の違反の未然防止、並びに発見及び発見後の対処等、コンプライアンス態勢の状況
(3)業務及び運営におけるリスク発生の未然防止及びリスクが顕在化した場合の対処等、リスクマネジメント態勢の状況
(4)個人情報管理及びシステム管理等の情報管理における有効性、効率性、信頼性、遵守性、及び安全性の確保、並びに紛失、漏えい、改ざん、破壊、不正アクセス等の事故及び障害発生時の対処等、情報セキュリティ態勢の状況
(5)その他必要な事項


 

コンプライアンス・リスクマネジメントの推進

◆コンプライアンス

  • コンプライアンスに関する考え方

<本投資法人>
上場不動産投資信託として、その社会的責任と公共的使命を自覚し、倫理・法令、市場ルール(本投資法人に適用あるグローバル規制を含む)及び主務官庁のガイドラインその他、本投資法人の内部規則等の遵守、すなわちコンプライアンスを徹底することにより、投資主その他ステークホルダーの信頼を確保することを目的として、「コンプライアンス・ ポリシー」を制定し、ガバナンスの設計及びその整備を行っています。

<資産運用会社>
内部規律として「東急REIM行動規範」、「コンプライアンス基本方針」、「コンプライアンス規程」、「東急REIMコンプライアンス・マニュアル」、「コンプライアンス・プログラム」等を定め、倫理・法令、市場ルール(資産運用会社に適用あるグローバル規制を含む) 等の遵守、特に法人関係情報・個人情報の適正管理、財務報告その他開示の信頼性確保等について、これらを徹底しています。

  • コンプライアンス態勢


 
コンプライアンス統括責任者(CCO)
コンプライアンス統括責任者(CCO)は、コンプライアンス業務を統括するとともに、コンプライアンス相談窓口の運営等を行っています。 また、「コンプライアンス・リスクマネジメント委員会規程」に基づき、コンプライアンス及びリスクマネジメントに関する重要な事項(利害関係を有する者との個別取引に関する事項、執行役員コンプライアンス担当又は委員会の事務局長が必要と認めた事項を含みます。)、ならびに利害関係者取引規程の規定内容の妥当性に関する事項が適切にコンプライアンス・リスクマネジメント委員会に付議されていることを確認しています。

コンプライアンス・プログラム
コンプライアンスに関する実践計画として、毎年度、コンプライアンス・プログラムを策定し、本プログラムに基づき、コンプライアンスに関する各種施策を実践しています。また、本プログラムの履行・達成状況について定期的に確認を実施するとともに、その内容に見直しの必要が生じた場合には、その都度内容の見直しを行っています。

東急REIMコンプライアンス・マニュアル
役職員が業務遂行における基本的姿勢及び遵守すべき関連法令や社内規程等に関する理解を深め、全ての役職員の意識を醸成するための手引書として、「東急REIMコンプライアンス・マニュアル」を制定しています。本マニュアルにより培われた意識や知識が役職員によるコンプライアンス違反の防止や、コンプライアンス態勢の更なる高度化に資することを目的としています。  



社内コンプライアンス研修
倫理・法令、市場ルール(資産運用会社に適用あるグローバル規制を含む)その他社内規程等の実効性を確保するため、適宜、社内研修を実施し、コンプライアンス態勢の充実・強化及び役職員のコンプライアンス意識の醸成等に努めています。

その他のコンプライアンス研修に関する事項についてはこちら

  コンプライアンス研修(2023年)

コンプライアンス相談窓口
コンプライアンス態勢を補完することを目的として、公益通報者保護法(平成16年法律第122号、その後の改正を含みます。)に準拠したコンプライアンス相談窓口・ハラスメント相談窓口を開設するなど、コンプライアンス違反行為の未然防止、早期是正及び再発防止に努めています。全役職員(派遣社員を含む)及び退職者は社内・社外(スポンサー・社外弁護士)のコンプライアンス相談窓口・ハラスメント相談窓口に対し、コンプライアンス違反行為等に関する相談が可能です。相談者保護のため、「コンプライアンス規程」において、匿名報告が可能な旨、解雇その他の不利益な処分は行わない旨、相談窓口に相談したことを理由として、相談者の職場環境が悪化することのないように、適切な措置を講じる旨を定めています。 

<コンプライアンス相談窓口への報告・相談件数>

 

2020年度

2021年度

2022年度

資産運用会社

0件

0件

0件

東急株式会社ヘルプライン※

294件

260件

341件

※東急株式会社ヘルプライン
スポンサーである東急(株)は、不正・不祥事を含むコンプライアンス課題の早期発見、是正を図るため、内部通報窓口「東急株式会社ヘルプライン」を設置・周知しています。「東急株式会社ヘルプライン」には、社内のほか弁護士事務所にも窓口があり、東急(株)グループの従業員(取引先を含む)などからの通報・相談に対応しています。

<ハラスメント相談窓口の受領件数(社外窓口への件数も含む)>

 

2020年度

2021年度

2022年度

資産運用会社

0件

0件

0件

コンプライアンスチェック
コンプライアンス統括責任者(CCO)及びコンプライアンス部は、業務執行における法令や社内ルール等の遵守状況を確認し、日常の業務執行においても、投資法人が資産運用会社の利害関係者と行う取引をはじめとした各種取引実施時や、社内ルール制定・改定時等に、コンプライアンスチェックを行っています。

◆リスクマネジメント
資産運用会社では、本投資法人の投資主価値の維持・最大化のために、投資法人資産運用業に関連する内外の様々なリスクを正確に把握し、全社的な視点で合理的かつ最適な方法でリスクを管理することが必要不可欠であるとの認識のもと、「リスクマネジメント基本方針」及び「リスクマネジメント規程」を定め、実践しています。

  • 「3つの防衛線」の考え方に基づくリスクマネジメント
    「3つの防衛線」の考え方に基づいた運用体制により、適切にリスク管理を行っています。
第1線 第2線 第3線
統制自己評価機能 リスク管理モニタリング機能 内部監査機能

・所管業務に内在するリスクに関し、第一義的責任を有する。
・自律的なリスクマネジメント(リスクの識別・評価・対応)を行う。

・自律的リスクマネジメントを適切に行うため、重要リスクについてキー・コントロール(リスクを最も効果的に低減するコントロール)を設計、適用の上、それを文書化して適正に運用するとともに、運用においては十分な証跡を残す。

・リスクマネジメントの枠組みを構築、改善する。                                                                         
・第1線が行うリスクマネジメントの実効性を支援する。

・第1線が行う統制自己評価機能のモニタリングを行う。

・第1線、第2線からの独立性、客観性を保持し、第1線、第2線の活動を検証、評価する。                                                     
・第1線、第2線が主張していることが妥当である場合には、説得力を与え保証し、助言・補強する。

・第1線、第2線が主張していることが妥当とは言えない場合には、検証、評価結果をフィードバックし、改善を促す。
  • 年間リスクマネジメントサイクル

  

(※)リスク対応計画策定手順

全社的リスクマネジメント

物件リスクマネジメント

①環境変化分析及びリスクの定義を踏まえたリスクの洗い出し

①経済的要因、物理的要因、法的要因、その他の要因を基に36のリスク項目を設定

②影響度、発生可能性の観点から固有リスクを評価

②各物件について、影響度、発生可能性の観点から固有リスクを評価

③リスク管理状況の評価

③上記固有リスクに対し、基準日時点の抑制の程度を計測し、残余リスクを3段階で評価

④残余リスク評価

⑤対応すべきリスク及び優先順位の決定

④前年度対応実績及び新たに認識したリスクを踏まえ、リスク対応計画を策定

⑥上記リスクへの対応方針の決定

  • 危機管理
    自然災害や事故等の危機の発生が、経済的損失、信用の失墜、または著しい業務の支障等として、当社の経営及び投資法人資産運用業遂行に重大な影響を及ぼすことを認識し、危機発生時の災害を最小限に留め、企業の社会的責任と公共的使命を継続的に果たしていくために「危機管理基本方針」及び「危機管理規程」を定め、実践しています。

    <取り組み例>
    ・危機管理委員会の設置
    ・事業継続計画の策定及び危機管理マニュアルの整備
    ・備蓄品、医薬品等の整備
    ・大規模地震訓練、安否確認訓練、危機対策本部訓練、基礎応急救護訓練の実施
     
     危機対策本部訓練(2023年)

     
     基礎応急救護訓練(2023年)

資産運用会社のコンプライアンス・リスクマネジメントに関する各種取り組み

◆主な取り組み

  • インサイダー取引規制への対応
    「内部者取引の未然防止等に係る規程」を制定し、法人関係情報の適切な管理等、内部者取引の未然防止等に関する態勢を整備・運用しています。
  • マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止への対応
    マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策を経営の重要課題の一つとして認識し、「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に係る基本方針」を定め、社内の組織態勢の構築、委託先及び取引先の管理態勢の整備を行っています。
  • 情報セキュリティ
    情報資産の保護とその適正な利用を図るため、「情報セキュリティに関する基本方針」を定め、実践しています。

    <取り組み例>
    ・適切なシステムリスク管理態勢の確立
    ・不正アクセス、不正情報取得、情報漏洩等を牽制・防止する安全対策の整備
  • 苦情処理態勢
    金融分野における裁判外紛争解決制度に基づいた、苦情及び紛争の解決処理に関する態勢を整備しています。
  • 地震災害への対応
    本投資法人では、震災に強いポートフォリオの構築を目指しており、個別の物件投資基準の条件として、新耐震基準(注)適合、耐震補強工事実施済又はPML15%未満の建物であることを原則としています。また、ポートフォリオPML10%以下での運用を行い、これを超過する場合は地震保険の付保の検討を行うこととしています。

 構造(耐震性)の状況(2023年7月期末時点) 

  • 贈収賄・汚職防止への対応
    「就業規則」及び「東急REIMコンプライアンス・マニュアル」において饗応贈与、賭博等の行為を行わない旨を定めており、業務に関し不正不当の金品その他を授受した場合には就業規則に則り、厳格に処分する旨定めています。
    また、東急グループは、東急グループコンプライアンス指針や各社行動規範に基づき、腐敗行為の防止に取り組んできました。さらに2022年5月にはスポンサーである東急(株)は同社および連結子会社を対象とした「腐敗行為防止方針」を制定し、贈収賄(※1)、利益相反(※2)、横領、利益供与の強要、不正入札等、自己または第三者の職務上の権力や地位を濫用する、いわゆる腐敗行為の一切を禁止するとともに、東急(株)および連結子会社の取引先等に係る腐敗行為を認めない旨を定めています。

    (※1)事業を行う中で、不正、違法、または背任にあたるような行為を引き出す誘因として、いずれかの人物から贈与、融資、謝礼、報酬その他の利益を、法令もしくは社会的な通念の範囲を超えて、供与または受領すること。なお、いわゆる「ファシリテーション・ペイメント」 と呼ばれるものも、それが法令等に抵触するものであれば、金額の多寡に関わらず、これを認めません。
    (※2)当該企業に属する者(役員・従業員など)が当該企業の利益と相反する形で、自らの利益を誘導するような行為を、私的にかつ不適切な形で行うことを言います。

     東急(株)の「腐敗行為防止方針」についてはこちら


  • 反社会的勢力との取引防止
    反社会的勢力との一切の関係を遮断・排除していくことが、金融商品取引業者且つ宅地建物取引業者としての社会的責任及び公共的使命を果たしていくために、不可欠であることを認識し、反社会的勢力に対する基本方針を定めています。その取り組みの一環として、取引開始前の相手先について、反社会的勢力との関係性調査を実施しています。また、それに加え、1年に1度、取引先に対する反社モニタリング調査を実施しています。また、全役職員を対象としたコンプライアンス研修等で反社会的勢力への対応方法について扱うことで、役職員への周知徹底を図っています。

反社会的勢力に対する基本方針
Basic Policies against Antisocial Forces

                                                                                           2013年8月29日 制定

 資産運用会社は、反社会的勢力との一切の関係を遮断・排除していくことが、金融商品取引業者且つ宅地建物取引業者としての社会的責任及び公共的使命を果たしていくために、不可欠であることを認識し、反社会的勢力に対する基本方針を以下のとおり定めています。

1.平素からの対応

(1) 取引を含めた反社会的勢力との関係の一切の遮断・排除
反社会的勢力とは、業務上の取引関係を含めて一切の関係を持ちません。
また、反社会的勢力遮断のための社内態勢を構築します。

(2) 外部専門機関との連携
反社会的勢力による不当要求に備えて、平素から警察、暴力団追放運動推進センター、弁護士等の外部専門機関と緊密な連携関係を構築します。

2. 有事の対応

(1) 反社会的勢力からの不当要求の拒絶
反社会的勢力からの不当要求は断固として拒絶します。

(2) 裏取引や資金提供の禁止
反社会的勢力からの不当要求が、当社の不祥事を理由とするものであっても事実を隠ぺいするための裏取引を絶対に行いません。また、反社会的勢力への資金提供などの利益供与も絶対に行いません。

(3) 組織としての対応
反社会的勢力による不当要求を受けた際には、担当者や担当部署だけに任せず、組織全体として対応します。また、反社会的勢力に対応する役職員の安全を確保します。

(4) 法的対抗措置
反社会的勢力による不当要求を受けた際には、断固とした態度で対応するとともに必要に応じて法的対抗措置を講じます。

以 上

委託先へのコンプライアンス取り組み状況の調査
本投資法人の委託先のコンプライアンスの取り組み状況に関する実態調査として、主要な委託先に対し以下の項目に関する調査を定期的に実施し、委託先に対する監督を図っています。

<主な調査内容>
・法令等遵守態勢
・利益相反管理
・個人情報保護
・内部者(インサイダー)取引を含む不適切な株式・投資口等取引の未然防止
・情報管理全般
・苦情への対応
・反社会的勢力への対応
・マネー・ローンダリング及びテロ資金供与(AML/CFT)への対応